ピティナ調査・研究

第71回 ジャズはいかが

今月、この曲
ジャズはいかが

ミュージックトレード社『Musician』2016年8月号 掲載コラム

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「音楽」と「生活」は切り離せないほど、私達は毎日、どこかのシーンで「音楽」を耳にします。ちょっと高級なお店でしか耳にしなかったジャズが、今では老舗のお店や、和風のお店、ラーメン屋さんに至っても、「あれ」と聴かれるようになりました。ジャジーな音楽が流れているだけでちょっとおしゃれな気分になりますよね。

ジャズは19世紀末から20世紀初頭にかけて、アメリカ南部のニューオリンズを中心に派生した音楽で、西洋音楽の「理論」とアフリカ系アメリカ人の独特のリズム感と様々な音楽形式が融合して生まれました。シンコペーション、ポリリズム、またコール&レスポンスといった「掛け合い」の音楽が特徴ですが、これをいざ「弾きたい」と思っても、それがなかなか至難の業。クラシック音楽に精通してきた方でも、何がどうなったらジャズらしくなるのか分からない、「聴く」のはいいが「弾く」にはハードルが高い、という方は多いのではないでしょうか。

そんな時は、この本を開けば、大丈夫! CDが付いているので自然にジャズのイメージが理解でき、記譜上の音でもシンコペーションや音の切り方もすぐに立体化できるので、初心者の方に特にお勧めします。

右手のメロディだけではなく、左手の和音の響き、ジャズには欠かせないテンションやブルーノート、コードのこと、そして音楽用語の説明やジャズの歴史なども踏まえた奥深い内容の1冊になっています。実際にジャズはタッチやフレーズ感が演奏のポイントとなってきますので、弾けば弾くほど、きっとイメージが膨らみ、巻末に収録されているオススメのアルバムや映画などもとても参考になります。

どんな音楽もそうですが、まずはたくさんの音楽を聴いたり、見たりしてイメージを作る事です。この1冊でなかなか入りこみづらく感じていたジャズの世界に、一歩踏み出してみませんか?

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